皆さんは「PLCアダプター」や「PLC方式(Power Line Communications)」というネットワークの接続方法を知っていますか?
この技術を利用することで、家庭内の長距離の有線LANや廊下を這わせている有線LANを取り除くことができる優れものです!
また離れたところでWIFIが遅い!といった問題にも対処できます。
本記事では、「PLC方式(Power Line Communications)」とおすすめのPLCアダプターについて、紹介していきます。
この記事は以下のような人におすすめ
・「家の廊下に有線LANを這わせている人」
・「階段や障害物があるが、有線LANで接続し安定した通信接続を確立したい人」
・「もっとネットワークの速度を早くしたい人」
PLC方式(Power Line Communications)とは?
Power Line Communications(PLC)は、電力線通信とも呼ばれ、電力配線を介してデータ通信を行う技術です。この技術では、電力線が情報を伝達する媒体として利用されます。PLCは、家庭や建物内の電気配線、電力網、さらには産業用途やスマートグリッドなどの電力インフラで広く利用されています。
PLCの主な利点の1つは、既存の電力配線を利用してデータ通信を行うため、新しい通信インフラを必要とせずに通信ネットワークを構築できることです。これにより、建物内や都市部などでのデータ通信のコストや導入時間が削減されます。また、電力線は通常、建物内のあらゆる場所に到達するため、無線通信や有線通信が困難な場所でも信号を伝送することができます。
PLCにはいくつかの課題も存在します。電力線は通常、電力信号の伝送のために設計されており、データ通信用に最適化されていないため、信号の減衰やノイズが発生することがあります。また、異なる家電製品や電子機器が同じ電力線を共有する場合、電磁干渉が問題となることがあります。これらの課題を克服するために、PLC技術の改善や電力線通信の標準化が進められています。
ネットワーク通信方式の種類について図解
普段皆さんがつかっているネットワーク通信方式と何が違うのでしょうか?
有線LAN方式、無線LAN方式、PLC方式の3種類を図解して説明します!
有線LAN方式
まずは有線LAN方式です。
有線LAN(Local Area Network)方式は、コンピューターやネットワーク機器を有線で接続するネットワーク形態です。
イーサネットやファイバーチャネルなどの有線メディアを使用して、データを送受信するための通信手段を提供します。
上記の絵の場合には、ルータとコンピュータを接続してネットワーク接続を行っています。
・高速で信頼性が高い通信を確立することができる
・セキュリティが強固な通信環境を確立できる
・有線で接続するための有線LANの購入が必要
・有線LANを配置したことで内観が悪くなる
・LANケーブルを[ルータ]⇔[接続する端末]間で接続する必要があるため、ルータから接続する端末が遠くに配置している場合、有線LANを長距離で引く必要がある。(※長距離接続できる有線LANは、ケーブルが太くなり壁に這わせることも難しくなる)
無線LAN方式
次に無線LAN方式です。
無線LAN(Wireless Local Area Network)方式は、有線の物理的な接続を必要とせずに、無線の電波を利用してコンピューターやネットワーク機器を接続するネットワーク形態です。
これにより、ユーザーはケーブルを使わずにデバイスをネットワークに接続できます。
・物理的な接続ケーブルを使用せず、柔軟性の高さ確立することができる
・接続ケーブルがないため、内観を損ねない
・有線に比べてネットワークの速度が遅い
・セキュリティ面で懸念がある
・一定以上離れると接続が強度が弱くなる。また遮蔽物にも弱いため遠く離れた場所での使用には向いていない。
PLC方式
最後にPLC方式です。
Power Line Communications(PLC)は、前の章で説明した通り電力線を使って接続を行います。
専用の機器を購入し、大概は電源に刺すだけで使用が可能です。
他の電力が通ると干渉を受けるといわれておりますが、対策を施されたものも多くあり、技術進歩しています。
上の絵の場合には、電力線を通り「有線接続されたコンピュータ」や「無線ルータに接続し、そこからタブレットやノートPC」に接続をしています。
・離れた部屋でも容易にネットワークを接続できる
・接続ケーブルが最小限で済むため、内観を損ねない
・PLCを使用しない純粋な有線LAN方式より、若干通信速度が劣る
・使用する環境によってネットワークの速度が異なる可能性がある
ではどのようなパターンに使用できるのでしょうか?
具体的なイメージを見ていきましょう。
PLC方式の利点とイメージ図
ネットワークで困っている家庭の代表のパターンとして、「2階建ての一軒家で、1階にルータがある」ことを想定して説明します。
有線LAN方式
本当は上記ように2階に設置したコンピュータに有線接続したいパターンは多いかと思います。
しかし、1階においてあるルータから2階に直通の穴を開けずに有線LANを通すのは至難の業です。
障害となるのが、「階段」と「扉」です。
この2つが障害となり、長距離の有線接続をあきらめている方が多いでしょう。
無線LAN方式
このようなパターンも多いのではないでしょうか。
1階に設置してあるルータから2階のスマホやノートPCに無線を飛ばそうとしても、「壁」や「天井」、「単純な距離」が障害となり、思ったような安定したネットワークを確立できない人は多いでしょう。
PLC方式
今回ご紹介しているPLC方式だと、有線LAN方式、無線LAN方式の両方のメリットを取り、デメリットをつぶすことができます。
上記の絵で説明します。
STEP1
1階のルータから近い電源と2階のコンピュータなど接続したい機器と近い電源に、PLCアダプターを刺して、同期をします。
※大概のPLCアダプタはボタンをそれぞれ押せば同期できます。
STEP2
その次に1階のルータとPLCアダプターを有線LANでつなぎ接続をします。
そうすると家の電力線を使用して、ネットワークを構築してくれます。
STEP3
あとは[2階のPLCアダプター]と[コンピュータ]を有線で接続することで、2階でも有線LAN相当のネットワークが使えます。
どうでしょう?すごく簡単ですよね?
大がかりな配線工事等も必要なくこれだけで済んでしまいます。
もちろん1階の有線LANと直接接続するような速度は出ませんが、動画やFPSなど私の自宅では問題なく楽しむことができました。
無線を織り交ぜたい場合には、以下のようにすると良いです。
2階のPLCアダプターから無線ルータへ接続し、そこから2階のノートPCやスマホと接続することで、1階から接続するより速度の速い安定したネットワークを使用することができます。
おすすめのPLCアダプター
私のおすすめのTP-Link(ティーピーリンク)さんのPLCアダプターです。
TP-Link(ティーピーリンク)という、世界的に有名なネットワーク機器メーカーが作成しているアダプターになります。
TP-Linkは、ネットワーク製品の品質と革新性に焦点を当て、世界中で幅広い顧客に製品を提供しています。特に家庭や中小企業向けの手頃な価格の製品で知られており、その信頼性と使いやすさが評価されています。
4年以上前に購入し、使っていますが安定した通信を確立できております。ルータとコンピュータを使用する部屋が離れており、困っていたところ出会いそこからずっと愛用しています。
それぞれ電源に刺して、ボタンを押してあげるだけで同期(ペアリング)が完了します。
本体の電源も通信に使っている電源から直接供給するため、電源を複数占有しないのもおすすめのポイントです。
<参考値>
私の自宅で使用した時の速度を参考地として載せておきます。
①ルータ→PCを直接接続した場合、64Mbps~87Mbps
②ルータ→PLCアダプター→PCで接続した場合、33Mbp~62Mbps
時間帯によって誤差はでています。昼より夜の方が快適なので、マンションタイプの回線ということと日中は電気を多く使っていることが影響しているようです。
しかしYoutubeやNetflixの再生や、FPS(Apexやフォートナイト、Overwatch)なども遅延もなくできました。
まとめ
いかがでしたか?
以外と知られていないPLCアダプターとPLC方式について、まとめてみました。
一軒家やマンションなどで、「リビングにルータがおいてあり自分の部屋や書斎までネットワークが届かない」「無線だと速度が遅い」と諦めてしまっている人も多いかと思います。
そんな人たちには、このPLCアダプターを使用していただき、ご自宅のネットワークを見直してみてはいかがでしょうか!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。